23.高血糖や糖尿病は「脳力を低下」させる(2)
前回は「大脳」の脳力低下についてお話しましたが、高血糖や糖尿病が脳力を低下させるのは大脳だけではありません。
下図のように、脳は大脳の他にも小脳、視床下部、海馬など大脳と関連して働く脳や独自に働く脳があります。
では糖尿病それぞれの脳との関連を見てみましょう。まずはそれぞれの部位の役割です。
①小脳
視覚や触覚などのさまざまな感覚情報と脳から筋肉に向かう運動指令を統合してスムーズな運動が出来るようにします。具体的には、走り方や泳ぎ方など運動時に平衡感覚を保つ身体のバランス、自転車に乗るなど新しい運動の学習です。
②視床下部
自律神経系の中枢で体温調節、血圧、心拍数、摂食行動や飲水行動、性行動、睡眠など本能行動+怒りや不安などの情動行動、尿量の調節、子宮収縮、乳汁分泌など内分泌ホルモンの調節
をしています。
③海馬
海馬は神経細胞の結合をつくる役割を果たしていると言われ、短期記憶から長期記憶へと情報をつなげる中期記憶を担う器官です。
④中脳
中脳は、光の刺激に対する眼の反射。具体的には瞳孔の大きさの調節や眼球の位置調節など眼球運動や瞳孔反射など視覚に関わる役割をしています。
橋は、左右の小脳半球からの神経が交連している場所です。
⑤脳幹
脳幹は大脳に近い側から中脳、橋、延髄から構成され、中枢神経系を構成する部位が集まっている器官です。また視床下部と通信をすることで覚醒と睡眠間の移行を制御したり、循環(心臓の鼓動)や呼吸の調整をしています。
⑥延髄
延髄は、呼吸、嘔吐、嚥下、消化、心拍数の調節など呼吸中枢や循環器中枢など生命維持に重要な中枢神経が存在しています。
これらと糖尿病との関係ですが、血糖値スパイクや血糖値コントロールが上手く出来ず高血糖になると血液がベタつき血流が悪くなります。 これが繰り返されゴースト血管が増えて上記の脳に必要な血液が届かなくなると、届かなくなった脳の働きが低下します。
届かない時間が長くなると、それぞれの脳が担っている動作が十分にできなくなることがあります。例えば、物忘れが多くなったり、運動しているときにバランスを崩して転んだり、今まで以上に息苦しくなったり、など 今まで何も感じなかったのに異常を感じるなどです。
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糖尿病は自分で決別可能な病気です。
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